282.北海道)一発試験 体験記(力作)  
大型自動二輪免許取得への道のり(Rindさん作)

表紙
第一章 きっかけ
第二章 準備開始
第三章 受験の申請(却下)
第四章 講習会1回目(二推第1段階)
第五章 講習会2回目(二推第2段階)
第六章 受験の申請(受理)
第七章 試験第一回目
第八章 講習会3回目(大試乗会)
第九章 試験第二回目
第十章 講習会4回目(二推第2段階)
第十一章 試験第3回目
第十二章 まとめ

第九章 試験第二回目

 大試乗会から2日後の6月1日火曜日、試験2回目である。前回とは大違いの晴天で、汗ばむくらいの天気である。2回目なので、段取りが判っている分だけ初回の時より緊張感は無いが、でも緊張する。13時に集合してみると、前回落ちた4人が全員そろった。
 司令塔下に行ってみると、2台バイクが置いてあった。4人なのに2台でやるのか?と思って近づいて見ると、CB400であった。集合の時に名前呼ばれても、一人いなかった人がいたが、その人は普通二輪の受験だったんだ。そしてその横には、なんとCB750が置いてあった。それを見た瞬間、昨日の感覚が蘇り「よし、行けるかも」と思った。程なく試験官がきた。4人しかいないので時間があるのか、コースが云々かんぬんと、だらだら説明が続く。そして最後まで今日の検定コースを言わなかったので、「今日は何コースですか」と聞いた。そうすると、思い出したように「Aコースでやります」と言った。よしAコースか。車両はCBだし、最後のチャンスかもしれないな。
 今日は2番目の受験である。1人目が完走して帰って来たが、すごく短い時間に感じた。試験開始である。安全確認して乗車し、後方確認して発進。やっぱりCBはトルクがあって乗りやすい。練習走行を終え、クランクに進入する。やっぱり自信がない、がこれはCBなんだと自分に言い聞かせ、またも2速で突入。進入速度が速いっ、脱輪する!と思いバイクを傾ける。さすがにCBだ。ひらりと傾きクリア。しかし、2速アイドリングのため速度が落ちない。接触に対する恐怖のため、リアブレーキをかけながらのろのろと直線を進む。次の左の屈曲は、なぜかいつも緊張せずクリアできる。おーし、クランク通過したらこっちのモンだ。あとは、淡々と行くゼ。波状路もはみ出そうになったがクリア。次っ、外周に出て急制動だ。加速中に、あ、そういえば全然練習してないや、ということに気付き、その緊張感からちょっと早めに制動した。ちょっとタイヤの音がしたか?でもラインのだいぶ前で止まったぞ。すると、無線がなった。やばっ、ロックで検定中止か?と思ったら、
「ザ〜、あ〜、制動早いよ。だめだめ。」
確かに早かったかもなあ。
「外周回って、もう一回急制動やって。」
おっ、もう一回やらせてもらえるのか。中止じゃないんだな。よかった。そして、外周をまわり再度急制動へ。今度はタイミングは良かったが、リアタイヤが鳴く音が聞こえた。でも、何も言われないので試験を続ける。踏切、坂道と淡々と課題をこなし、スラロームに進入。これもあまり練習していないが、CBのおかげでVFRでやったどれよりもうまくいった。そして、一本橋を無理せず通過し、S字を通って、形の上では完走してしまった。
 確実に降車を行い、司令塔の方に振り向く。無線がなった。
「急制動は、制動が早すぎたのでもう一回やってもらったから。それと、クランク通る時に何でリアブレーキかけっぱなしなの?それから踏切も、その後すぐに右折するのに何で車線の真ん中を通るんだ?S字やスラロームは良かったんだけどなあ。」
急制動の失敗は単に練習が足りないからだと思う。クランクは前回の失敗による恐怖感とCBの2速アイドリングが思ったより速かったためである。踏切については、講習の時になーんにも聞いていないぞ?というより、今回初めて知った。どんな形であれ、取りあえず完走できたのがとにかくうれしかった。
 完走で気が楽になった。先に試験が終わった、教習所に行ってる人の話を聞いてみた。教習所では試験場で不合格になった場合、補習を受けないと次を受けさせてくれないらしい。補習を受けるには、当然補習料を支払わなくてはならない。ということは、一回落ちると受験料を含め8千円ぐらいかかることになるんだな。それから試験を受ける前、すなわち受験日の午前中に一度練習してからここに来ているというのも初めて聞いた。そうしてるうち、今日は4人とも完走して試験が終了した。
 また、16時の発表まで待たなければならないが、完走しているので前回より無駄には感じない。でもあれじゃあ、まず合格はないだろうな。急制動2回やってるし、と思いながらも、少しの可能性に期待している自分がいる。落ちるだろうな。でも・・という気持ちを何度繰り返しただろうか。そのうち、16時になった。
「技能試験係より、本日午後の技能試験の結果を発表します。・・・」
と、いつもの放送がかかる。電光掲示板の所にいくと、なぜか二輪の受験者が固まっている。そのひとりに
「見かけなかったんで、帰っちゃったかと思いましたよ」
と言われた。
「きっと合格なんてしないから、帰っちゃっても良かったんだけどね・・・」
といって笑った。「それでは発表します」との放送のあと、ピンポン・・ピンポン・・の音と同時に番号が点灯。1004と1005の2つだけであった。1005?ん?5人もいたっけ?あれ、自分は何番だ?そうだ、受験した順番は2番目だけど、今日中型の人が受けなかったな。そうか、自分は1003なんだ。と気付くより先に、大喜びの人がすでに2人いた。
 正直、あまり悔しくなかった。試験の内容を考えると・・・。よし、次行こう。ということで、技能試験係へ行く。行くとまた、自分の申請書類がザルの中に入っていた。3回目ということもあり手慣れたモンで、さっさと印紙を買って持ってった。「いつ受ける?」と聞かれ、あ、そういえば全然考えてなかったな。うーん、やっぱり直前に練習した方が絶対いいに決まってる。来月のニスイの次の火曜日にしよう。ということで、3週間先の火曜日に受けることにした。なんか、落っこちたのに妙に充実した気分で、試験場を後にした。
[1999/07/02]
         
 
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